アヘン戦争

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 アヘン戦争 今日より84
 「愚民政策」とアヘン戦争の教訓「人民を賢くする奴は、邪魔だ!」これが「支配者の論理」である。人民はおとなしく服従する「小羊の群れ」であるほど都合がよい。知恵ある人民は危険なのである。ゆえに彼らは、民衆の魂に"人間性の火"を燃やす「文化」を嫌い、“英知の光”を点す「教育」を嫌う。彼らにとって「平和」とは、「人民の服従」と「自己の安泰」のみを意味する。

 香港がイギリスに割譲される原因となったのが、十九世紀半ばのアヘン戦争である。イギリスはアヘンの密貿易で莫大な利益をあげた。しかも、アヘンで中国を骨抜きにし、そのうえ、門戸開放だ、傲慢をこらしめるのだ、といいがかりをつけて攻め込み、領土を取り上げた。この戦争は、史上まれなる「不義の戦争」と言われた。こうした帝国主義の非は非として、一方、中国(清朝の政府)も、早い時期にアヘ ン禁止の勅令を出しながら、密貿易にはまったく無防備だった。北京の皇族にまでアヘン吸飲の習慣は広がった。事態の深刻さに気づいたときは、もはや手遅れだった。

 この大失政を招くにいたった要因は、当時の「愚民政策」にある。ある歴史家は指摘している。清朝は、むしろ人民が賢明になることを恐れた。税金さえ納めてくれるなら、適当にアヘンをのんで「半睡状態」になってもらったほうが面倒がなく、ありがたかったのだ、と。為政者が、自らの人民を見下し、愚弄した結果、国そのものが滅亡してしまったのである。歴史の厳粛な教訓である。


 

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