今日より52
アメリカの変化には、三十年ごとの周期がある。これは、この国の著名な歴史家、A・M・シュレシンジャー博士の説である。くわしい説明は省くが、著作の『アメリカ史のサイクルー周期)』によると、一九九〇年代は、三〇年代、六〇年代と、よく似た時代になるとの予想である。なるほど一九三〇年代は、フランクリン・ルーズベルト大統領が掲げた「ニュー・ディール政策」に象徴されるように、「平等」という建国の理想への挑戦があった。ルーズベルト大統領は、先日会談したアーマンド・ハマー博士が、自分の会った最も偉大な大統領とした人物である。六〇年代は、ケネディ大統領の掲げた「ニュー・フロンティア」政策に象徴されるように、「人権」を根本にした“新・開拓者精神”で、「人類の理想のトップランナー、アメリカ」を証明しようとした。またスチューデントパワーに代表される対抗文化(カウンター・カルチャー)の嵐が吹き荒れた。大いなる変革の時代であった。三〇年代、六〇年代と同じように、九〇年代も「理想主義の台頭」があるかどうか、それはわからない。ただ三十年とは、人間の一世代である。漢字でも「世」の字は、もともと「世」(三十)を意味している。一世代ごとに、アメリカが建国の理想への“原点回帰”を繰り返しているという指摘は興味深い。
三十年という年月は、世代の交代、若々しき「青年の台頭」を要求しているともいえる。それが自然の摂理でもあろう。
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