安斎伸先生

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  輝き18
 “まず精神を立て直せ”と
 今年の元日、上智大学の名誉教授・安斎伸先生が亡くなられた。七十四歳であられた。親しく、お付き合いさせていただいたが、見識は高く、信念は堅く、お人柄は柔らかい、立派な人格者であられた。
 何度もお便りをいただき、私(名誉会長)の本の書評をしてくださったこともある。安斎先生が『潮』の新年号に、こう書いておられた。先生の遺言となった言葉である。
 「平成九年は国民にとっては、まさに悪夢のような年で、政界の異常な混迷、財界、金融界、証券界の目を覆うばかりの商法違反(中略)教育界での校内暴力、いじめ、家庭での残虐な親殺し、子殺し」。これらが「国民を怒らせ、悲しませ、当惑させつづけた」と。
 めちゃくちゃな日本を、それでは、どう立て直すのか。安斎先生は、「経済第一主義」 ─ つまり「金さえあればいい」という生き方が、日本を狂わせ、ひいては経済までも狂わせてしまったという。というのは、本来、商売には商売の「道」があった。日本の経済発展は「自己を捨てて道を行う」という商人道に支えられていた。その精神性が、まったく、なくなってしまった。「恥も外聞もない功利主義に堕したのである」と嘆いておられる。だから安斎先生は、日本を立て直すには「価値観」を立て直す以外にない、「精神」を立て直す以外にないと考えておられた。そして「確固とした価値観をもつ宗教」の大切さを指摘しておられる。そして結論として、「隣人愛」と「禁欲倫理」に目覚めなければならないと結んでおられる。
 すなわち「人に尽くす生き方」と「卑しく貧らない高潔さ」であろう

 


 

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