中国の戦国時代

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 輝き16  
 一方、中国の戦国時代にも、こんなエピソードがある。(「戦国集」から〉
 「戦国七雄」に数えられた大国「斉」の国。紀元前三世紀、この国は、周辺諸国との一戦に大敗し、都を制圧された。  
 しかし、数年後、一人の勇敢な将軍(田単)の大活躍によって、都の奪回に成功した。国には平和が戻った。  その後、ある年、将軍は、再び、新たな戦いに挑むこととなった。  出発に先立ち、将軍は、国の名高い賢者(魯仲子)のもとを訪れ、語り合った。  
 その時、賢者は明言した。  
 「将軍は、今度の戦は、勝つことはできないでしょう」と。  
 将軍は、憮然として言った。  
 「私は、かつて、小さな城壁と敗残の兵士のみで、幾万の大軍をうち破り、都を奪い返した。にもかかわらず、それより劣勢の敵に勝てないとは、どういうことか!」と。  将軍は、憤然と席を立った。果たして、その将軍は、三カ月をかけても、敵国を攻め落とすことができなかった。  
 
 自分が「率先」を!自分が執念を!  
 なぜ勝てない?  
 将軍は、思いあぐねて、もう一度、その賢者のもとを訪れ、尋ねた。
 「あなたは、私が勝つことができないと言われた。なぜなのか?どうか、その理由を聞かせてもらいたい」と。  
 賢者は静かに語る。
 「あなたが、以前、小さい城に立てこもった時は、『いざ、行こう!戦おう!』と陣頭に立ちました。この時、将軍には決死の覚悟があり、兵士たちは、生きのびようとの未練もありませんでした。このような将軍の言葉を間いて、兵士たちは涙を振り払い、、勇気を奮い立たせて、戦おうと思わない者は、だれ一人いませんでした。これがあったからこそ、強敵をうち破ることができたのです。しかし、今、あなたは、広大な領土を持ち、ぜいたくになり、享楽にふけり、死ぬ覚悟などまるでない。だから勝てないのです」と。  
 要するに、自分自身が、猛然と戦う以外にないというのである。  話が終わると、将軍は意を決して、戦場に戻っていった。  
 翌日、将軍は気力を奮い起こし、城壁を一巡して、石や矢が降ってくる危険な場所に、自ら勇んで飛び込んだ。そして、攻め太鼓を勇ましく打ち鳴らし、とうとう敵をうち破ったというのである。

 


 

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