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エーヴエルラン ルネサンス21
“我らには内面的な力がある“
博士の祖国は北欧のノルウェー。第二次大戦のさなか、ナチス・ドイツの狂暴なる軍隊に占領され、蹂躙をうけた。
博士(ヨハン・ガルトゥング博士)も十三歳の時、父親がナチスによって逮捕されている。最も多感な少年時代脳裏に刻み付けられた、権力への怒り、戦争への憎しみ。ここに「平和は受動的に与えられるものではなく、意志的に『選択』するものである」との信念に生き抜いてこられた博士の、一つの“精神の原点”があると思う。
この時、ノルウェーに、断固として不屈の雄叫びを上げた一人の詩人がいた。エーヴェルラン(一八八九〜一九六八年)である。彼は、ドイツ軍が侵入した後もオスロに残り、ナチスと戦う。『我れらはすべてを生き抜く』と題する詩集は、不当に逮捕され、収容所を転々としながらも謳い続けた魂の結晶である。その中に、こんな一節がある。
「われらには内面的な力がある/われらはすべてを生き抜く!/われらは聖なる必勝の信念を有する/それだからこそ忍耐強く落ちついていられる/精神は永遠で/生命は生々発展することを知っている/」(林譲二訳、『世界名詩集大成』15所収、平凡社刊)
“内面の力”“精神の力”は、いかなる武力、権力にも屈しない。“魂の抵抗の旗”を掲げ続けるならば、必ずや「勝利の太陽」は昇る。「自由の夜明け」は来る。詩人はそう確信していた。また、歴史はその通りになった。
「世界平和の旭日」もまた、あの国、この国の人々の胸に“希望の灯“が、ひとつ、またひとつ、まばゆく輝いていってこそ、高くまた高く昇る。
権力者よ!嘘の塊の人生よ!
エーヴェルランは、人々を抑圧する権力者をさげすみながら、誇り高く謳う。「君が知らない真理が/君が燃す書物のなかにある!/君には理解できない思想が/君の子より永生きするだろう」「自由は君には無用の長物だろうが/心配するな、君はもうそれを持っていない/」「君にとっては縁遠い心のあたたかさには/装甲は必要でない!/君が軽蔑する寛容の美徳は/憎悪の力よりまだ強い!/君は恐怖でびくびくしているが/各所で恐れを知らぬ人たちに会う」
「君は好んで自分の名誉について語るが/あらゆる人から悪人視されるだろう/!君の生涯は嘘の塊だった。嘘の種子は/君の頸を絞める。君は、このようにして、死ぬ!/君に裏切られた自由な国民は/君のことを忘れる。悲しんだり、泣いたりする者はない!」(林訳、前掲書)
圧迫のなかであるにもかかわらず、水晶のように、透明な明るさと強固さがある。人間そのもののもつ強さと、平和への希望が、揺らぐどころか一層の輝きを放っている。きょう、集われた皆さまの清々しい笑顔のように ― 。
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