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ルネサンス9
ネルーはこの本のなかで、インド独立の父、マハトマ・ガンジーの偉大さを、こう述べている。「ガンジーの登場は一旋風のごとくであり、多くのものをくつがえし、とくに民衆の心の持ち方を一変させた。彼は天上から降ってきたのではなかった。彼はインド幾千万の大衆の間から現れ出て来たという様子で、大衆の言葉を語り、目を絶えず大衆とそのすさまじい生活に向けていた」(辻直四郎・飯塚浩二.蟻山芳郎訳『インドの発見』下、岩波書店刊)
すなわち、“救ってやろう”などと、相手を見下した傲慢な心で、民衆と接していたのではない。どこまでも同じ立場に立って、ともに悩み、ともに苦しみながら、人間の真実を見つめようとした。だから偉大なのだと。戸田先生の姿をほうふつさせる一節でもある。人間はすべて平等である。人を見下す権利もなければ、人から見下される義務もない。この当たり前のことを、当たり前に実践してこそ「人間性」であり、そこに仏法者の根本精神もあると思うが、どうだろうか。
“恐れぬ心”が精神を解放
そして、ガンジーが、すべての民衆にもたらした最も大きな“贈り物”とは何であったか。ネルーは、こうとらえる。
それは、“心のなかに恐怖を宿すな。恐れるな。恐れることなど何もない”と教えてくれたこと。軍や秘密警察、官吏、そして牢獄へと追いやる法律、それらへの恐怖の妄想を、「真実」を示すことによって打ち破ってくれたことであったと。つまり「恐怖」の呪縛は「ウソ、偽り」によって生ずる。「無知」と「恐れ」はセットになっている。「恐れぬ勇気」は「真実を知ること」に基づく。ゆえに「真実」をわきまえれば、「恐怖」は消え去るのだと。
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