イラン大使

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 青春対話1  
 獄中で死ぬのは幸福か、不幸か  
 「嵐の時の友が真の友」とも言う。  
 友情については、日本よりも西洋はじめ海外のほうが、深い歴史を持っている。深い内答と、永続性をもっている。事例を見ても、小説で見ても、そうです。日本は、「気が合っている」というような、浅い付き合いの向きがある。  
 私(名誉会長)の友人で、ある国の駐日大使がおられた。長年、大使を務められ、各国の駐日大使の中心的存在でした。母国でも重要な地位にあった。私は三度ほどお会いしたが、人格的にも、見識の深さも、実に立派な方でした。何度も「我が国へ訪問を」と要請をいただいた。そして私についての論文まで書いてくださり、母国の各界に配られた。さまざまな事情で、その国の訪問が実現できなかったことが今も残念です。  
 国家の政変で、大使はイギリスに亡命し、そこで亡くなられました。政変の前、大使が本国に帰られる時、私(名誉会長)は大使主催の晩餐会に招かれ、大使館を訪問しました。その時、大使が案内してくださった部屋には、国の最高指導者とともに、私の写真も飾ってくださっていた。  
 大使は、「私は、あなた(名誉会長)を生涯の友人と思い、平和を目指す同志と思って、飾らせてもらいました」と言われた。そして、他の人たちの写真を紹介しながら、「皆、私の素晴らしい友人です。同志です」と、一人一人、説明してくださった。ある外国の友人の写真のところでは「政治犯として、今も獄中にいます。信念の人です。一生、牢から出られないかもしれない」と、目をうるませておられた。  
 私(名誉会長)は大使に聞きました。「世間に出ることもなく獄中で死んでいくことは、人間として幸福だと思いますか。不幸だと思いますか」。大使は、涙をぐっと抑えるかのようにして、きっぱりと、こう言われた。  
 「この人たちは正義の人です。おそらく、獄中で死んでいくことになるでしょう。しかし、たとえ牢獄の中であっても、自分の信念のままに、その場で死んでいくことが、最も偉大なのです。それが勝利です」。  
 私(名誉会長)は感動した。自分の信念を裏切れば、また同志を裏切れば、自由≠ノなれる。
 しかし絶対に裏切らない。たとえ人に裏切られても、自分は一人、獄中で死んでいく。これこそ本当の人間です。本当の友情です。
 
 「人を知るにはその友を見よ」
 『永遠の都』(ホール・ケイン著)のロッシとブルーノのようですね。
 そうだ。「約束」です。ひとたび誓った、友人との「約束」を守る。それが友情です。そのためには、自分で決めた「白分との約束」を守れる人でなければならない。      

 


 

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