ペトラルカ

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 ルネサンス73    
 レオナルド・ダ・ヴィンチについては、ボローニャ大学で講演した(六月一日、本文五九n)。  
 ボローニャ大学は、多くの「ルネサンスの人材」を生んだ。  
 その一人が詩人ペトラルカである。  
 彼はボローニャでの青春時代を懐かしく振り返っている。  
 「ボローニャほど楽しく自由なところは世界中どこにもなかったと思われます」(『老年書簡集』)  
 ボローニャ大学の旗には、ラテン語で「リベルタス(自由)」とある。  
 同大学の九百年祭の折に誕生した「大学憲章」は、この「自由」の精神を現代にさらに輝がせるものであった。  
 憲章には、日本の代表の一校として創価大学も著名した。  
   
 ルネサンスの詩人ペトラルカの怒り  
 「坊主どもの貪欲は底なしだ!」  
 非道への怒りからルネサンスが  
 ペトラルカは、当時の聖職者の腐敗を繰り返し批判している。
 「ところかまわぬ横行闊歩の群れ。粗食節制のかわりに、享楽の酒宴。敬虔な巡礼の旅のかわりに、非道淫靡な安逸」(ペトラルカ『ルネサンス書簡集』、近藤恒一編訳、岩波文庫)  
 「まもなく信徒大衆は、魚のうろこを剥ぎとるようにはだかにされ、苦悶の炎と炭火で焼かれて、貪欲な底なしの胃袋をみたすことになりましょう」(同)  
 こうした「怒り」が、ルネサンスを生んだのである。  
 ペトラルカは「ヒユーマニズム(人間主義)の父」とうたわれている。



 イタリアの桂冠詩人ペトラルカは述べている。
 「魂の内部にこそ、ひとを幸福にするものと不幸にするものがある」(佐藤三夫著「ヒューマニスト・ペトラルカ」東信堂)
 どんな困難も、強き信心があれば、乗り越えていける。変毒医薬していくことができる。
 強き祈りと必死の行動が、すべての壁を打ち破っていくのだ。
 ペトラルカは手紙の中で記している。
 「勇敢に辛抱強くあるように」(E・H・ウィルキンス著、渡辺友市訳「ペトラルカの生涯」東海大学出版会)
 「(私は)困難の壁が厚ければ厚いほど、益々熱心にとりくむ」(同)
 困難が大きいほど、挑戦の心を燃え上がらせて進む。それでこそ、偉大な人間性が築かれていくのだ。
 「いつわりのない友情を最も切実に求め、その友情を絶対の信頼をもって暖めた」(同)
 これもペトラルカの言葉である。
 真実の友情にまさるものはない。誠実と真心の対話で、多くの人と友情を結んでいっていただきたい。
 (中略)
 イタリアといえば、かつて私(名誉会長)は、世界最古の総合大学ボローニャ大学を訪れ、記念の講演を行なった。忘れ得ぬ歴史である。〈1994年6月。同大学からの名誉博士号授与を記念して、「レオナルドの眼と人類の議会―国連の未来についての考察」と題して講演〉
 このボローニャ大学で学んだ一人が、14世紀の桂冠詩人ペトラルかであった。
 ペトラルカは綴った。
 「私は叫びつづける。平和、平和、平和」(前掲「ペトラルカの生涯」)
 この桂冠詩人は、虚偽や凶悪や戦争で荒れ果てた「野獣性」の世界と決別し、平和な「人間性」の世界を構築することを目指した。
 そのために、「人間主義」にもとづく古典文学の研究と、新たな文学の創造に取り組んだ。後継の弟子たちも、師の起こした運動を、さらに拡大していった。
 その師弟の戦いが、あの絢爛たるルネサンスとして花開いたのである。
 ペトラルカは述べている。
 「他人からうけて恩恵は絶対に忘れないことを率直に誇りとしている」(同)
 忘恩は、人間として最悪の罪である。
 仏典には、「重恩に違背する人間が、どうして永く苦海に沈まないことがあろうか(必ず沈むのである)」と述べられている。
 またべネズエラの格言には、「恩知らずで地獄はいっぱい」とあった(柴田武・谷川俊太郎・矢川澄子編「世界ことわざ大事典」大修館書店)。
 師友や友人から受けた恩を忘れず、恩に報いていく―ここの人間としての正しい軌道がある。
 さらにペトラルカの言葉を贈りたい。
 学会は指導主義である。世界の知性の言葉を紹介するのも、そこから大切なな何かを学び取っていただきたいからだ。
 「真実こそ馬上で勝ち誇り 嘘は大地に叩かれるがよい」(池田廉訳「カンツォニエーレ」名古屋大学出版会)
 嘘は必ずばれる。悪事は最後は暴かれる。
 また、そうしていかねばならない。
 彼は、こうも記している。
 「無知は魂の大きな貧困」(近藤亘一著「ペトラルカ―生涯と文学」岩波書店)
 「誤った考えをいだくのは無知のしるしだが、誤ったことを厚かましく主張するのは、無知でしかも高慢であることのしるしだからね」(近藤亘一訳「我が秘密」岩波文庫)
 学会のおかげで偉くなりながら、学会を小バカにし、尊き学会員を見下すような人間は、絶対に許してはならない。
 傲慢な人間、悪い人間は叩き出せ! ― これが戸田先生の教えであった。
 悪と戦う破折精神が学会精神なのである。
 ペトラルカはこうも綴っている。
 「われわれの語りかけによって人びとの心を、おおいに援け励ましうることは、疑う余地がない」(近藤亘一著「ペトラルカ研究」創文社)
 「声仏事を為す」(御書708ページ)である。
 温かな「声」で、友に励ましを贈る。確信の「声」で、同志に勇気を贈る ― そのためにリーダーがいるのだ。
 またペトラルカは記している。
 「道をいそぎ、うしろをふりかえらないことだ。過去のことは忘れ、将来のことを考えたまえ」(前掲「わが秘密」)
 何があっても、カラッと明るく、前へ、前へ!
 前進することが重要である。明るいことが幸福である。
 過去がどうあろうが、人がどう言おうが、未来に向かって朗らかに生き抜くことだ。その人が真実の勝利者なのである。
                                                (聖教2007.1.5)   

 


 

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