閉鎖性海域対策室との交渉

第26回全国公害被害者総行動での環境省環境管理局
水環境部水環境管理課 閉鎖性海域対策室との交渉(2001年6月7日)について

出 席 者
閉鎖性海域対策室芝垣室長、岩城室長補佐、松本室長補佐、
兵藤係長、柊係長、有吉環境専門員
総合環境政策局環境影響評価課 小森補佐
環境影響審査室 曽宮審査官
大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課  津曲担当
適正処理推進室 岡本室長補佐
瀬 戸 環 連小沢事務局長 滝野・五島事務局次長、福田、北風
住民側 司会 小山常任幹事
(特に記載していない部分は行政側の発言です)

芝垣室長: 従来以上に施策を強めたい。瀬戸環連も30年近く活動していると言うことで敬意を表したい。われわれは2年ぐらいで担当が変わるので心苦しい、現場感覚をもって行いたい。今の大臣も現場主義を強調している。基本計画でも連携と参加を規定しており、それらを重視したい。今日の機会も大切に考えている。
住民側: 工業立地法の緑化をその他の地域にも広げたいということについて
環境庁には工業立地法の権限がない。一般論としては、もっともなご指摘であると考えます。地球環境の観点から検討したい。
住民側: 水島コンビナートのLPGの国家備蓄基地について アセスメントをされたいという要請に対して
アセスメント法の対象になっていない。安全性の調査が必要であり環境面のアセスとしては対象事業になっていない。安全面は経済産業省などに働きも検討いただきたい。また条例の対象事業にする余地があると思いますが、今は国としては対象とすることは考えていない。将来の検討課題とする余地はあります。
神戸空港の問題については、すでに調査済みであり事業者の神戸市も今必要な調査をしていると聞いている。
地域再生の観点から尼崎、水島地域のことも検討したい。
干潟芦原を再生して機能を調べる実験をしており、継続している。海砂については全面禁止の意見はあるが、やめてどうなるのか考える必要あり 場所、量、方法は検討するようにしている。行政も代替材の開発も検討している。港湾の浚渫も問題があれば検討すると思います。
未利用地について尼崎(森21)で対応が進んでいる。あおぞら財団も関係してくれると思います。水島財団の方々ともそういう関係を期待しています。地元の方々の参加を期待したい。

住民側: 埋立については利用との調整という発想では保全はできない。
環境庁 浅海の重要なところは守るという発想で行いたい。負荷を出すものはだめということです。護岸を緩傾斜にする対策も検討している。水辺をとり戻す発想も必要である。 守ることも大事なことであるが作ることも考えたい。 わたしも地図を見るがあれで埋立原則禁止とは恥ずかしくて言えないのではないですか(室長)。
住民側: 遊休地の調査結果を公表してマスタープランを出すなどは出来ませんか。
遊休地の認定は難しいところがある(所有者は遊休地とは認めない)。しかし遊休地を環境保全の観点から検討する必要はある。
 環境省の官房に地方環境調査官が配置されます。10月以降に決まります。各地にいるようになります。許認可業務の一部担当する。近畿ブロック、中国ブロック、四国ブロック各担当というイメージで配置します。

住民側: 鞆の浦は実際に見て保全を考えてほしい。
 
( 感 想 … 従前は環境庁瀬戸内海保全室が交渉の相手でしたが、環境省の閉鎖性海域対策室が交渉相手となりました。時間は例年以上とって議論できました。省になって環境保全の姿勢が明確になることを私たちは期待しましたが、メンバーが大きく替わっており、環境庁も公式的な答弁が多く、開発のあり方を問うという姿勢も見られず、また地域の実情をよく把握しようという態度はみられず、やや期待はずれでした。引き続きその姿勢を変えることを求めることが必要です。住民参加の重視、あおぞら財団、水島財団などは 今後関係団体として認知していく方向は感じられました。 環境省は2001年10月から地方環境対策調査官を配置します。 瀬戸内地域内では 大阪、広島、福岡、高松に置かれます。同調査官に働きかけるなど環境省が現場を重視した施策をとるように強めていきたいと思います。)



第26回全国公害被害者総行動デー



○ 環境省と交渉 ・・・ 2001年6月7日 14:00〜16:30 出席者 {環 境省側11名 }

閉鎖性海域対策室(7名)
柴垣室長、岩城室長補佐、松本室長補佐、佐藤室長補佐、兵頭係長、柊係長、有吉環境専門 員、

総 合 環境政策局 (2名)
環境影響評価課 : 小森補佐
環境影響審査室 : 曽宮審査官

大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 (2名)
産業廃棄物課 : 津曲担当
適正処理推進室 : 岡本室長補佐

瀬戸環連側 : 小沢事務局長、滝野事務局次長、五島事務局次長、小山事務局員、北風専従事務局、福田憲一氏(みずしま財団)



第26回 総行動デー のデモ行進


2001年6月7日 環境省大臣 川口 順子 殿

2001年環境週間要求書

                   瀬戸内の環境を守る連絡会
事務局長  小 沢 秀 造

昨年末尼崎大気汚染裁判について、国、公団と和解がありました。この間吉野川河口堰の問題や諫早湾の問題では国の開発のあり方について国自体が見直さざるをえなくなっております。環境庁も環境省に昇格し、その果たすべき役割も根本的に変えていただきたいというのが21世紀のNGOの期待であります。特に縦割り行政に甘んずることなく瀬戸内海および沿岸の環境、公害問題を住民や住民団体とともに解決するという姿勢で施策を実行してほしいものと考えています。その際サステイナブルデベロップメント、サステイナブルソサエティーの理念をいつも念頭に置いていただきたいと考えています。その理念は瀬戸内法に活かされているはずであります。

1. 瀬戸内海環境保全基本計画の変更の手続の進行状況が終わりました。有明海 でも瀬戸内法をベースにした保全法の策定を住民が検討していると聞いていま す。伊勢湾の住民運動をされている方からも閉鎖性水域及びその沿岸の保全の あり方という観点から注目していると聞いています。
それらのモデルとなりうる基本計画を策定されましたか。

今回の省庁再編に伴って、「瀬戸内環境保全室」から「閉鎖性海域対策室」 となったが、"瀬戸内海"をめぐる問題について取られた施策を、より全国的 な施策とするような姿勢で対応願いたい。ややもすると、より広域的な問題に 対処することとなると、従来の瀬戸内海の環境保全に対する施策が弱められる のではないかと懸念する。

今年度「地方事務官」を配置するような予算措置がなされたと聞くが、瀬戸 内地域では、どこに事務所が構えられるのか。また、その事務官の権限はどの 程度のものなのか。今後その方とNGOとの定期的な会談の機会を設けて頂き たい。

現在の「工場立地法」では工場立地の20%を緑地とすることを求めている が、この法律の適用外の工場でも、この緑地面積を求めるようにされたい。 特に、沿岸部にコンビナートが立地する瀬戸内沿岸では、温暖化対策上から もまた地域の防災上からもきわめて重要だと考える。

瀬戸内海の中で、十分に自然環境が残っている地域を「保護地域」として残 し、環境教育の実践場所として利用するような施策を実施されたい。

  瀬戸内海の環境破壊の最大の原因であります埋立に対する規制は前進するか どうか廃棄物の規制に実効ある対策がとられるかどうか。環境省になって規制 権限も大きくなった面があるかどうか。どうされるおつもりか。

  ダイオキシンや有機スズの汚染の現状と対策を示されたい。それが実効性が あるものであるか。

埋立地などに遊休地があるが、それを自然回復のために活用する方途を示さ れたい。

失われた磯浜の回復の実例と評価を公表したうえ、住民とともにその実行を はかられたい。自治体まかせだけでは磯浜復元という個別事例の収集だけでは 限界があるのではないか。またアメリカのミチゲイションも個別事例で問題が 指摘されているようである。住民参加や慎重な開発のあり方が必要であると思 われる。工事後の環境調査も最初から位置づける必要がある。磯浜復元を実施 するにあたりその手順などを定める予定はないか。その際地域住民、環境団体、 学者を参加の上するつもりはないか。

  海砂採取の環境破壊の調査の進行と禁止措置を取られたい。この点について は、港湾の浚渫も視野にいれるべきである。

  防波堤の建設は海流の変化などを引き起こす。いままでの建設とその影響に ついてどう考えているか。その建設は規制すべきである。
   われわれは大阪湾岸の瀬戸内法に沿った再生が重要であると考えている。埋 め立ての禁止と未利用地や工場跡地などを緑地にするなどして大阪湾の再生を する必要があると考えている。あおぞら財団、尼崎の住民団体などがその努力 をしている。 協同して保全策を考えるつもりはないか。

   倉敷のみずしま財団は地域再生に取り組んでいる。環境省も協力していると 認識している。公害被害にあっている地域が再生することは非常に重要である。 考え方をお伺いしたい。

2. 広島県福山市鞆の浦は江戸時代初期からの形状が残っており非常に貴重なも のであると考えている。そこに橋が架かり破壊されようとしている。保全運動 が広がっているが国としてどのように認識しているかそして保全の方針を出し てほしい。

3. 神戸空港建設には住民の強い反対があるが、今からでも規制すべきである。 工事が進行しているが、環境影響評価は工事中も環境省としてすべきあると考 えるがどうしているか。

昨年の交渉時に、全国規模で行われたダイオキシンの測定結果を受け取った が、それには現在問題となっているような海域(例:豊島周辺、上黒島周辺な ど)での測定はされておらず、是非そのような海域での詳しい調査の実施を願 いたい。

工場跡地土壌汚染調査について
最近東京でも工場跡地の土壌が6価 クローム、トリクロロエチレン等によ って強度に汚染されていた事例が見つかって問題になっているが、瀬戸内海沿 岸でも工場跡地特に戦前期のレイヨン工場跡地等の土壌の科学物質による汚染 が1970年代から問題視されていた。レイヨン工場だけでなく、瀬戸内地域 の毒ガス・火薬・メッキ・化学等の工場が立地していた全ての地点(戦前・戦 後を問わず)について厳密な土壌汚染の調査をされたい。

4. 上黒島の廃棄物問題は従前から取り上げている。注目していると言うことで あるが現状認識と今後の対応を具体的にとられたい。この問題では権限のある 部署からの回答を希望する。

5. 豊島の公害調停の成立は歓迎するが、今後の処理で2次公害を発生させない ようにされたい。昨年からの進捗状況をお伺いしたい。関係部署の出席を望む。

6. 諫早湾の埋立ては深刻な影響を与えている。埋め立て前から住民からその環 境破壊を指摘されている。一つの教訓として保全や開発について住民やNGO、 科学者などを参加させるシステムがない限り似たような問題が今後も発生する おそれがあると思われる。住民参加は湿地保全では内海より進んでいるように 思うがどういう認識をしているか。抜本的に検討するつもりはないか。

7. またエメックスなどでの国際交流も住民の交流が実現するように環境省もさ らに援助するべきであると考える。現状と今後の方針などお伺いしたい。

8. 現地事務所の設立をはかるべきである。行政改革を理由にそれを怠ることは 許されないと考えるがどうか。(行政改革の理念)。不要な部署は大胆に廃止し 必要な部署は新設すべきである。環境省の自律性を問いたい。

9. 水島コンビナートの地下にLPGの国家備蓄基地が建設されようとしている が、それの建設についての安全性、環境に対する影響などについて十分なアセ スメントがなされていない。それは"地下"についてのアセスメントを規定し た法律がない為で、早急にその点でのアセスメント法の整備を求める。

10. 瀬戸内に原発は要らないというのが多くの市民の声である。 山口の上関 原発についてどう考えているか。愛媛の伊方原発も縮小、廃止の方向で見直 すべきである。東海村臨海の事故では政府は事故を防ぐという対策はとって も、事故が起こったらどうするかという対策はとっていないことが指摘され た。事故が起こっても瀬戸内法の目的を達成できると考えているかどうかも お伺いしたい。


以 上