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農村漁村の振興について考えたこと第27回原子力発電問題全国シンポジウムに参加して「第27回瀬戸内沿岸住民集会in豊島」に参加して瀬戸内海を世界遺産に・・・・・エコエッセイ#23 見えない恐怖インフォメーション


瀬戸内海ニュース第182号(2004年10月25日発行)






農村漁村の振興について考えたこと

瀬戸内の環境を守る連絡会
事務局長 小沢 秀造
 今年は香川県豊島での総会において、現在の農漁村後継者不足の深刻さと、その対策の必要性など徳野貞雄先生(熊本大学)が、力説されていらっしゃいました。
 10月に日本弁護士連合会の人権シンポが宮崎市で開催され、10月6〜7日にそのプレ企画で宮崎県綾町を訪問する機会がありました。
 収容人員9名というペンションきねずみさんに泊まり、有機の野菜たっぷりのコース料理を堪能しました。照葉樹林都市ということで、日本の自然100選・森林浴の森100選・水源の森100選にも選ばれているところです。

 町から戴いた資料では、'75年頃から自然生態系農業に力を入れ、'81年より町内の糞尿を牧草地に還元し、'87年からは生ゴミを有機肥料として活用しているとのことでした。町民は、生ゴミを活かすために合成洗剤の使用を規制していると聞きました。 町立有機農業開発センターを設置し、町内農地の土壌を無料検査し、有機農業のために農業者を指導している実績も拝見しました。
 人口は'65年8,419名、 '85年7,309名、 2000年7,596名と、人口減から人口増に転じています。 民宿で地元の人に聞いた話では、綾では農地1反300万円であり、近隣の町では100万円程度ということでした。

かって夜逃げの町とよばれたところから、都市からの移住者も多い町に転じたようです。
 連日の集会で少しへたりましたが、10月9日から3日間、大阪でSS集会(永続可能な社会をつくる市民研究者交流集会2004)がありました。そこで樫原正澄関西大学教授から、永続可能な社会の食料・農業問題について伺う機会がありました。農業従事者の高齢化の深刻さとともに、若年者の農業志向が増えていることが報告されました。綾のことにもふれられていました。
 瀬戸内でも、過疎による結果として環境の保全ができないところが増えているようです。
 農業・漁業の多い町や村の振興が、環境問題とリンクしていることを 意識して運動に取り組みたいものです。






第27回原子力発電問題全国シンポジウムに参加して

瀬戸環連事務局  後藤安子
 8月28〜29日、山口県柳井市のアクティやないにて、原発問題全国シンポが開かれた。 28日には「瀬戸内海と原発」をテーマにして、原子力発電をめぐる最近の問題、中国電力鰹繩ヨ原発計画の現状や各地の報告がなされた。
 29日には、記念講演として「日本の原子力開発50年」(元中央大学 中嶋篤之助氏)と「中国電力島根原発の現地では」(福島大学 清水修二氏)がなされた。
 日本には現在53基もの原子力発電所が稼動している。原発周辺の自治体や住民は、もしその原発が大事故を起こしたなら、その被害はどうなるのかと、いつも不安にかられている。原発は大事故を起こさないという「安全神話」があったが、「神話」をなくし、大事故は起きるものとして、災害対策を立てる必要があり、又防災訓練の実施をすべきであろう。住民は自らの健康と安全を守るために、国・地方自治体・原子力事業所に対し、住民の参加する防災訓練の実施を要求すべきであろう。
 中国電力鰹繩ヨ原発計画については、住民の強い反対運動が続いている。
又、石川県珠洲市の原発建設計画凍結についての報告がなされ、28年間「原発マネー」が珠洲市の財政を蝕んできたことが報告された。
 最後に「近年、地球温暖化の危機意識から省エネ思想の普及により、工学用電力の節減、家電製品省電力化など、今後益々電力需要の低減が見込まれる中において、新たな原発建設の必要性は無い。瀬戸内海の環境破壊と過酷事故の危険性を抱合する上関原発建設計画に反対する」として、上関原発建設反対に対する特別決議が出され、全国シンポを終了した。






「第27回瀬戸内沿岸住民集会in豊島」に参加して

京都府長岡京市  加悦 秀樹
 豊島問題は悪質な産業廃棄物業者と香川県が、その業者を擁護したことによって有害産業廃棄物が不法に投棄され、あとには50万トンを越える有害産業廃棄物が放置された事件で、戦後最大級の不法投棄事件と言われています。
 現在、豊島に不法投棄された廃棄物の処理は、住民の皆さんの大変な努力によって、国の公害等調整委員会の調停を引き出し、ようやく環境の回復が進められつつあります。

 私たちはこの事件を単なる悪質な事業者と行政の判断の誤りが引き起こした、稀な事件とだけとらえて良いのか悩むところです。
 現在の社会経済システムが続く限り、さまざまな生産現場において産業廃棄物が生まれ続けます。豊島事件は特に悪質なケースですが、現在のように産業廃棄物を処理する事業を自由競争に任せていれば、処理価格の競争から同じような事件はどこでも起こりうることだと思います。(豊島では、それに加えて行政上のミスが重なり事態をより悪化させた訳ですが。)

 理想論を言えば産業廃棄物を出さない社会経済システムを実現させて、永続可能な社会を目指すべきですが、一朝一夕に実現できる訳ではありません。
 しかしながら環境に対して意識の高い排出事業者では、既に排出責任の履行と併せて、廃棄物処理事業者選定を厳格に行っているところもあります。
 排出事業者に環境情報の開示を求めて監視するとともに、廃棄物処理事業者にも廃棄物の再資源化状況を開示させるなど、企業の透明性を高めていくことが、案外、永続可能な社会へ近づける手段なのかも知れません。






瀬戸内海を世界遺産に・・・・・

『港町ネットワーク・瀬戸内』室津大会開く
― 兵庫県御津町で 7月25・26日 同会の結成を記念して ―
   (一)
 瀬戸内海のもつ多島海景観は世界にも類をみないものです。古代から島々を結ぶ海運が栄え、秀れた文化と歴史を育ててきた瀬戸内海の魅力を掘り起こし、その世界遺産登録を視野に入れて活動する団体として『港町ネットワーク・瀬戸内』が今年の四月十八日、広島県尾道市で結成されました。さらに七月二十五、二十六日の両日、兵庫県御津町の室津で同会の結成記念「室津大会」が開かれました。
・・・・・・・・・・
 この団体には柏山泰訓代表が事務局長を務める御津町の「『嶋屋』友の会」、松居秀子副代表が属する広島県福山市のNPO法人「鞆まちづくり工房」、そして愛媛県弓削町の「ゆげ女性塾」という三つの町づくりグループが参加しました。個人会員としては、広島・香川県下の住民や広島大学等の研究者が参加しています。またこの団体の事務局は、広島県尾道市の世界遺産推進課が務めています。

(二)
 広島県尾道市は、名刹である尾道三山などを世界文化遺産に登録することを目標にして二年前から専門部署を置いて活動しています。
福山市の鞆の浦(とものうら)は、古くからの潮待ち風待ちの港として知られています。その町並みは江戸時代の風情があり、「雁木(がんぎ)」「波止」「焚場(たでば)」「船番所」「常夜灯」などの古い港湾施設も現存し、今も役に立っているものが少なくありません。
歴史的な景観としても素晴らしい鞆の浦に対して、2000年になってから港の一部を埋め立て、架橋を含むバイパス道路の整備事業が、県の認可を得て強行されようとしました。
古くからの港湾施設と一体化した鞆の町並みを保全するため、世界遺産に登録せよと国・県・市に迫った鞆の住民運動は国の外まで拡がりをみせました。『世界文化遺産財団』(本部・米ニューヨーク市)が危機に瀕する世界一〇〇ヶ所の文化遺産の一つに日本から初めて鞆を選んだのは今から二年前のことです。

(三)
 御津町室津は「此の泊(とまり) 風を防ぐこと 室(むろ)の如し」(播磨風土記(ふどき))とあるように、奈良時代の僧行基によって攝播五泊の一つに定められた古くからの良港です。江戸時代には参勤交代の西国大名の上陸地として大いに栄え「室津千軒」といわれてきました。
 町立の「室津海駅館」は、廻船業で富をなした豪商『嶋屋』の建物を修復し、平成九年から町立資料館として開館したものです。海の宿駅として栄えた室津をよく知ってもらうよう廻船・参勤交代・朝鮮通信使などの資料も展示しています。
 たしかに瀬戸内海は沿岸の地域をつなぐ「道」であり、国の内外の大動脈でした。道には駅があります。港町は海の駅でした。しかし港町は単独では成立せず港町のネットワークにより発達してきました。瀬戸内海の古くからの港町のなかには鉄道沿線から外れたりして、かつての賑わいを失った町が少なくありません。そうした町では、町並みや社寺などにも伝統的な風格を持った建造物を見ることができます。
 これからの町づくりは大規模開発型でなく、地域保全型の町づくりが求められているだけに、住民の快適性を重視し町の個性を活かして欲しいものです。
かつまた「瀬戸内海の港町の再生のために、いま必要なのは海からの視点かもしれません。少なくとも、海という自然との共生は港町として考えるべきことでしょう」(室津大会資料24ページ)とするこの会の代表である柏山氏の意見は、港町の町づくりにとってとりわけ重要な視点であります。

(四)
 今年夏の室津大会に寄せた柏山代表の『ごあいさつ』(大会資料4ページ)の中で、同氏は 「この会は瀬戸内海がもつ豊かな歴史的・文化的資産を再考しつつ、瀬戸内海の新たな可能性を探ろうという会です。環境・漁業・まちづくり、道としての海や観光などの諸課題について各港町はもとより、住民を中心に産・官・学の連携のもとに取り組もうとするところに特色があります。」「私たちはまず何よりも瀬戸内海という海を認識する必要があります。室津大会では、それぞれの分野で瀬戸内海を研究なさっている著名な先生方を講師に招き、『瀬戸内海を語る』ことをテーマにしました。瀬戸内海の東端に近い室津から瀬戸内海をみつめてみようという狙いです。」と述べています。7月25日午後の大会は夏の疫病から身を守るためにふんどし姿の男たちが山車(だし)を担い、古い風情を残す室津のまちや、地元の賀茂神社の前を練り歩く豪快な夏越祭(なごしまつり)を見学することからスタートしました。
当日の夕方から桃山学院大学名誉教授の沖浦和光さんによる「瀬戸内海の海民文化」と題する記念講演があり、広島・愛媛・岡山・阪神などから来た約八十人の市民がこれらに参加し、夜の交流会でも楽しく語り合いました。

 翌26日朝8時過ぎから室津沖のボートウォッチングがあり、9時からシンポジウム『瀬戸内海 むかし、いま、みらい』が開かれました。パネラーである愛知淑徳大教授の谷沢明さん、神戸商船大名誉教授の松本哲さん、及び京都精華大教授の鷲尾圭司さんよりそれぞれの専門分野からみた興味深い諸課題が提起されました。
参加者も、瀬戸内海についての認識を新たにすることができました。
( 事務局次長 滝野秀男  記 )






エコエッセイ#23

見えない恐怖

玉田真知子
 のんびりテレビを観ていたら、人間が今まで遭遇したことのないシベリアなど凍った大地の中で眠っていた微生物が、地球温暖化によって噴出してきて地上に新たな災いをもたらすということが放送されていた。 やや、これは大変。 人類はパンドラの箱の中を知らずに無茶苦茶な事を繰り返し、ついに我が身の業が自分に降りかかる時が来るのかもしれない。
 なんとなく日常で使っていた合成洗剤、知らず知らずのうち台所から流していた汚水、深く考えないままに、どこかしこコンクリートで固めてしまった川・・・。気がつけば大気汚染・温暖化・海洋汚染 そして魚の死滅。『そして誰もいなくなった』という小説があるが、魚や美しい羽をもった鳥や昆虫、大きな四足の動物達は、住処も餌もなくなった地球から、消えていっているのだ・・・。 人間だけが生き残る、汚水溜めのような地球になってしまうのか。

 今年は真夏日が1961年の3倍になったという。子供の頃の夏休み、おはようを言っていた儚い花びらの朝顔は、気温が高すぎて咲けないという。秋になっても咲いているしぶとい朝顔しか最近は見ない。これはもう、私にとってはホラー映画以上の恐怖。地球は陰影のない、まるでプレハブで作った家屋のようになるのだ。ああ恐ろしい・・・という訳で、最近は絶望感ばかりが先にたつ。台所の汚水を家の前の土の上に、せっせせっせとまいている私の努力を、神様が認めて下さって、画期的な汚水対策のアイデアをお授け下さらないかしら。かなり前だが、滋賀県の大学の先生が、自家で汚水を浄化してから排水するお家を造っていらした。大変偉い方だと思う。
生活を変えなければ、地球はどんどん駄目になっていく。皆さんも、台所からの汚水にはくれぐれも気を使いましょう。






書籍紹介
「7分後、7年後の幸せなあなたへ」
枝廣淳子著 朝日新聞社

生活のあらゆる面からエコライフを検討し、実践してゆく人のガイド。
最先端エコロジーライフの紹介。「スローライフってなあに」「おひさまパワーは偉大なり」「ちりつも大作戦」など読み易く、目からうろこのエッセイ集。(T)


行事案内

地球環境セミナー ≪ 地球は今 〜 地球温暖化 〜 ≫
日 時: 11月14日(日)  13時〜16時
会 場: 明石生涯学習センター9階ホール ( Tel 078-918-5600 )
講 師: ネットワーク『地球村』代表  高木善之 氏
参加費: 前売 1,000円 当日 1,200円
主 催: ネットワーク『地球村』in KOBE
問合せ: TEL/FAX 078-842-0323(半谷) ※託児あり(要予約 1人500円)

明石勤労者釣りクラブ
*11/14(日) 明石労釣クラブ釣り例会 淡路島にて
*11/ 3(祝) 全関西労釣会つり大会  京都 日本海・宮津 粟田半島一帯

連絡先: TEL&FAX 078−922−6563 (萬)

播磨灘を守る会  学習会と第33回総会
『諌早・有明漁民に学ぶ 〜有明海異変と諌早湾干拓〜 』


講 師: 堀 良一 (有明訴訟・原告団代理人弁護士)
日 時: 11/3(祝) 13時半〜
会 場: 姫路市網干市民センター Tel. 0792-74-4772
参加費: 資料代込み 1,500円
申込先: 同 会 Tel.07932-2-0224  Fax.07932-2-8855

(財)ひょう環境創造協会 「都市と沿岸域の環境保全国際シンポジウム」

講 演:『持続可能社会に向けた地域づくりと中間技術』(仮題)
      NPO法人循環共生社会システム研究所 代表 内藤正明氏
報 告:「都市の再生」 クリチバ市 都市計画公社 Luiz Hayakawa
    「沿岸域の修復と再生」  細川恭史 氏
        (国土交通省国土技術政策総合研究所 沿岸海洋研究部)
日 時: 11/11(木) 10時〜16時半
場 所: 独立行政法人国際協力機構 兵庫国際センター ブリーフィングルーム
主 催: 兵庫県・ブラジルパラナ州
申込先: (財)ひょうご環境創造協会 環境創造部
        FAX 078-735-2292 TEL 078-735-2738


寄付 入会 会費納入のお願い
瀬戸内の環境を守る連絡会
事務局長 小沢 秀造
 日頃から皆様にはお世話になり心より感謝申し上げます。 瀬戸環連は定例総会を終え、30年を越えた活動をさらに強化したいと、事務局一同 決意を新たにしております。
さて、10年以上、独立した事務所と常任の事務局体制を続けて参りましたが、毎年少しずつ赤字が累積しており、これまで蓄えていた資金も枯渇してきております。この間、3年間にわたる海岸調査、サンフランシスコ湾岸環境調査や提言活動など、皆様の期待に応えたいと活動してきました。しかし、このままでは近い将来に、独立した事務所で常任事務局という体制が維持出来なくなる恐れがあると考えております。 我が国では環境団体等への寄付なども少ないですが、その上不景気のため、法人関係者の脱会や会費納入率の低下を招き、長年ご協力いただいてきた会員も、高齢や病気のため脱会を申し入れられる方も増えています。
 出費の多い今日のご時勢の中、誠に恐れ入りますがご寄付または五千円の年会費が掛かりますが新入会をお願いしたく、よろしくご協力下さいますようお願い申し上げます。なお、瀬戸環連の活動などにつきまして、ご提言やご要望がございましたら、併せてご連絡いただければ幸いです。送金先は、下記口座へお願いします。

郵便振替口座  01150−8−10032
加入者名   瀬戸内の環境を守る連絡会

事務局会議予定
18:30〜 事務所にて

11/15(月)  11/24(水)
12/ 6(月)  12/20(月)

訂正お詫び
瀬戸内海ニュース第181号記事中に訂正がありましたことお詫び申し上げます。
(誤) 徳島大学教授 徳野貞雄先生 →  (正) 熊本大学教授 徳野貞雄先生

編集後記
カラフルな落葉のじゅうたんが楽しめるはずの季節…。連続の台風で丸坊主になった銀杏並木は若葉が茂り、桜が狂い咲く。世間でのクマ騒動の話題にもの悲しい気分で洗濯物を干していたら、ベランダごしにタヌキの姿発見。つい先日も近所で狸が事故死。生きものたちは、ただ生きることが望み。
 台風、大地震で被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。公的な生活支援が一日も早く実現することを強く願っています。 (風)