目次
赤とんぼの舞う空が戻るまでデンマークの環境対策にふれてカンパのお願い中国旅行雑感永続可能な社会をつくる市民研究交流集会開かれるインフォメーション

第183号(2004年11月25日発行)





赤とんぼの舞う空が戻るまで

尼崎公害患者・家族の会
会長 松 光子
 私たち公害患者がこの尼崎地域に住み続けたい、子や孫の代までこの町を愛し続けたい、この心からの叫びと願いを解ってほしいと思います。そのためにも公害患者として斗ってきた歴史の一辺を知ってほしいと・・・

まず、患者会を組織したのが1970年に立ち上げ1971年に「会」誕生、1988年に五〇〇人弱で神戸地裁に提訴、1999年12月に企業と和解、2000年1月に国・道路公団と和解、これで尼崎地域とくにR43号沿線の住民は安心して暮らせると胸をなで下ろしました。

 ところが、国は私たちが和解した一番大切な約束事である大型車の削減を含む大型車規制をして大気汚染の改善を図るという事ですが、この事が和解条項にあったから原告は損害賠償や差止めまで放棄したのに、一方的にこの約束事を破棄し無視する態度に出ました。
損害賠償や差止めだけではR43号沿線のみならず尼崎南部の大気汚染や環境改善はできません。ですから、国からの申し出のあった“大型車からまき散らされる浮遊粒子物質を減らし沿道の環境改善をはかる”という事を私たちは信じていました。
 原告として命がけで闘い取った和解を、いとも簡単に国が破った事は絶対に許す事は出来ないと、2002年10月に「公害等調整委員会」にあっせんの申し立てをしました。
 11月には第一回のあっせん委員会が非公開で開催されました。
調整委員の先生方による尼崎地域内の現地視察を始め、あっせん成立の2003年6月まで8回の委員会が開催され、そのつど、患者会・弁護団と共に尼崎の被害の状況や国の不誠実な対応等を訴え続けました。
 2003年6月に私たちの要求がほぼ100%近く盛り込まれた「あっせん案」が成立しました。その案に大型車の調査や削減等、細かく記載されており、中でも今まで非公開であった連絡会が公開となり、傍聴も認められるようになりました。
各地連絡会を重ねている地域も、当然 道路公団が原則となり私たちの運動が決して無駄ではなかったと思いを新たにしています。
しかしながらと言おうか、毎度の事だと言おうか、国側の責任者が一年毎ぐらいに変る、その度毎に約束事が変って、また振り出しに戻る繰り返しで前に進まない、七月に突如として規制対象地域を拡大−その理由を何も明かさない、7回目以降の連絡会は壊れたレコードの如く同じ場所を行ったり来たり、国のやる気のなさが見え見えで、原告側はイラ立つばかりです。 道路公害裁判で国は司法より五度も断罪されているにもかかわらず、公害道路の改善案は何も示そうとはしない、先ず道路あり気が優先していて人の健康や環境は考えていないとしか見えません。

原告の粘り強い斗いで、やっと10回目の連絡会において、あっせんで示された尼崎南部地域の規制を対象としたアンケート調査を実施するところまで漕ぎつけました。 しかし、私たちが最後まで国の態度を監視し粘り強く活動を続けないと何時また裏切られるかも知れません。
 冒頭に書きましたように、赤とんぼ舞う空が戻るまで、みんなで頑張ってゆきたいと思います。
 これからも暖かいご支援の程よろしくお願い申し上げます。






〜 デンマークの環境対策にふれて 〜

兵庫県姫路市  後 藤 安 子
 10月に循環社会推進欧州調査の旅に参加し、デンマークに出かけた。
世界最大の洋上風力発電施設「ミドルグロン」を見学した。ミドルグロンは、コペンハーゲン港から3kmほどの所に位置する洋上風車である。
デンマークでは、1970年代後半から再生可能エネルギーとして風力発展の導入を進めており、現在6000基以上の風車があるとのこと。コペンハーゲン港では、沖合3kmに20基の風車が並び強い風を受けながら稼動していた。
 ミドルグロンの風力発電がスタートするのに、5年以上の年月がかかっている。それには1973年のオイルショックを契機として、石油に依存しない持続可能なエネルギーへの転換にいたったことが背景にある。

 デンマークは持続可能な社会へと進んでいる。道路には自転車専用道路が設置されており、朝夕の通勤・帰宅時間帯には多数の自転車が風を切って走っていく。
 人口1億3千万人程の工業国日本においては、風力発電も実施されるようになってきてはいるが、エネルギー供給をいかなる手段によるかということは、大きな問題である。






カンパのお願い

 瀬戸環連は2002年に30周年を迎えました。その後も、瀬戸内の環境問題の解決に向けて様々な課題に取り組んできました。
 おかげ様で、その取り組みが各方面で評価いただいております。もとよりまだまだ非力であり、今後の課題も多く抱えております。 毎年新会員を迎えることが出来ております。専従者の活動量も増え、人件費も増加傾向にあります。不況の影響もあり、会費の納入率が低下したりまた高齢、リストラなどの影響もあり、退会される方もいます。 いまの財政状態では、近い将来現在の体制を維持するのが困難な状況です。出費が多い中 恐縮ですが、年末カンパを各位にお願いしております。同封しております郵便振替用紙をご使用の上、ご送金いただければ幸いです。併せ、まだ会費を納入されていない方は会費の支払いにつきましても重ねてお願いする次第です。
送金先  郵便振替 01150−8−10032
加入者名 瀬戸内の環境を守る連絡会






中国旅行雑感

香川県三豊郡詫間町粟島 元山 裕雄
 九月の中旬、中国へ行ってきました。 四十年来の“うたごえ仲間”八名と、ウルムチ・トルファン・敦煌・西安など、シルクロードの起点を中心に巡り、秦の始皇帝陵の兵馬俑、敦煌の莫高窟の仏教壁画などそれなりの興趣はありましたが、最も感動したのは、西安事件の「八路軍弁事処」跡の革命博物館でした。(西安事件というのは、1937年地方軍閥の張学良が、国民党軍の首領の蒋介石を捕まえてきたのを、周恩来や朱徳などが内戦停止と抗日救国の必要を説き、第二次国共合作統一戦線への道をひらいた )

 四畳半もない、周恩来や朱徳、青江やアグネス・スメドレーの寝起きした部屋。
 日本の小学校の養護室(保健室)より簡素な医務室(手術室)や、厨房、地下道への脱出口がそのまま残されています。 毎年幾百千万人の餓死者を出していた国から、六億人民が一人も飢えることない国への革命がここから始まったのだと思うと、目頭が熱くなりました。

その昔、エドガー・スノーの『中国の赤い星』や『自覚への旅』 アグネス・スメドレーの『遠大なる道』を心躍らせて読んだことを思い出しました。
 二番目に感動したことは、砂漠の緑化に取り組んでいる中国人民のすさまじいエネルギーを紅炎山の麓の水の博物館で見たことでした。紅炎山の山麓だけでも百数十の井戸を掘り、汲み揚げた水を疎水に流し、その流域には大きな一抱えもありそうなポプラやアカシアが育っていました。
揚水ポンプの電源なども風力発電でまかなっているのでしょうか、一ヶ所で三百数十の高さ50mの風車が立っているのは壮観でありました。
 年間降雨量十一ミリという砂漠地帯の地下に天山山脈や昆倫山脈の雪解け水が覆流水となっているのでしょうか?かつては25mも掘れば出た水が、今では50mも掘らねば出てこないという。有限の地球を感じました。
 その昔、ソビエト時代にシベリアの川を逆流させ、タイガ地帯(森林地帯)を農地にしようとしたが、多くはツンドラが凍け、役立たずの沼地になってしまったということがありました。
 砂漠の緑地化でグローバルな気候変動の枠組みが変らないか。デリケートで有限の地球です。環境問題の国連と言われている国際環境計画機構などと連携をしながらやって欲しいものです。
 あちこちで“うたごえ交流”をしながら、日中友好を果した(?)楽しい旅でありました。






永続可能な社会をつくる市民研究交流集会開かれる

瀬戸環連幹事 小 山 英 二
 去る10月9日から11日までの3日間に亘り、大阪・此花会館において標記集会が開かれました。 この集会は、1994年故西村忠行先生(元瀬戸環連代表幹事)らの呼びかけで開催された第1回集会から10年にあたる今年、いまなお地球環境が破壊され、汚染され続けている状況から脱却して永続可能な社会に向けて歩みを始めようと開かれました。 集会にはのべ400人の市民・研究者が参加し、それぞれの分野の研究者から報告を聞き、それを受けて討議、意見交換をするという形で行われました。

最初に、本集会の実行委員長の 林 智 さんが「地球環境の破壊と・汚染の歴史的経過、サステナブルデイベロップメントの提唱とその後の流れ、21世紀における実践のあり方」について基調講演を行いました。
これを受けて、〜永続可能な再生エネルギー普及・同地球温暖化対策・同車依存脱却・同社会と宗教・同環境教育・同課題と展望・同農業、食料問題・同化学物質管理・同生態系保護〜 の各分野で研究に取り組んでいる学者・研究者から報告が行われました。
これら10本の報告を受けて、3日目には、永続可能な (1) エネルギーのあり方 (2) 経済とその方向性 (3) 生態系保護と化学物質管理のあり方 (4) 教育・文化のあり方の4つの分科会に分かれて、助言者を交えた参加者による活発な討論が行われました。
全体集会の後、“市民研究交流集会2004アピール”を採択して散会しました。3日間の長丁場でしたが、かなり中身のある集会となりました。

※「永続可能な社会をつくる市民研究交流集会」公式ホームページこちら




インフォメーション

新年会予定
ぜひご参加を! 大いに語り合いましょう!

日 時: 2005年1月5日(水) 18:30〜
場 所: とりしん ( 鳥伸 ) Tel: 078-914-1007 
明石市山下町8-11
会 費: 5,000円 ( 飲代込 )

ご参加頂ける方は、12/24迄 に
事務所へご連絡お願いします

事務局会議予定
事務所にて18:30〜
見学自由、お気軽にどうぞ。
12/6(月)  12/20(月)
1/17(月)  1/31(月)
2/16(水)  2/28(月)
3/ 9(水)  3/30(水)
4/13(水)  4/27(水)
5/11(水)  5/24(火)

2004年度会費
(2004.7/1〜2005.6/30)

 ありがとうございました!


 
国土研シンポジウム 京都 鴨川の治水
〜超過洪水、都市型水害、
 まちづくりなど多彩な視点から水害を考える〜

□ と き  2004年12月18日(土)  13時〜17時
□ ところ  京大会館101号室  ( Tel: 075-751-8311 )
□ 資料代  会員外500円  学生・会員は無料
□ 主 催  国土問題研究会
  Tel/fax: 075-241-1373
  kokudo@ma2.seikyou.ne.jp

記事募集中です!
 瀬戸内海ニュースでは、投稿、ご感想・ご要望等をお待ちしております。ぜひお寄せ下さい。 また、環境問題関連行事などの案内等も、出来る限り紹介していけるようにしたいと考えますので、情報提供等もよろしくお願いします。
FAX:  078-911-7397
E-mail:

編集後記
 先日、娘の小学校でビオトープ造りに参加。校内空地で雑草抜きから始まり、先生・保護者・子ども達で一緒に、地面を掘り返してバケツリレーや植樹・・・。
つるはしやシャベルを持ち汗を流し作業していると、クラス懇談などの異様な静けさ(!?)と全然違った和やかな雰囲気で、面識無い人同士でも自然と笑顔で会話が弾んでくる。これがNHK朝の連ドラの撮影ロケに活用された。春頃オンエアされるとの事で、密かな楽しみ…。
 次号は元旦新年号です。お便り等ぜひお寄せ下さい! (風)